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現役船乗りがおくる、みんなを笑顔にするブログ

【船乗り目線】タイタニック解説

 


船乗りから見るタイタニック

船といえばタイタニックを思い浮かべる人もいるのではないでしょうか?

タイタニックといえば1997年公開のジェームズキャメロン監督、主演レオナルドディカプリオ、ケイトウィンスレットのタイタニックが有名ですが現在でも映画やミュージカルなどでその悲劇が語り継がれていますよね!

 


今回は史上最悪の船舶事故タイタニック沈没を船乗り目線から見ていきます

 

 

 

もくじ

タイタニック号とは

事故の概要

事故の起こった主な原因

まとめ

 

 

 

 

 

 

 


タイタニック号とは

全長269m乗客1324名乗務員899名の超大型船で当時沈まない船、「不沈船」と言われていました。

少し専門的な話になりますが、タイタニック号には高度な安全対策が施されていました。船底は二重になっており、船首から船尾まで16ブロックに分割して水密隔壁で仕切ることができる仕組みになっており、そのうちの2区画が浸水しても沈まず、15cmの浸水を確認するのその隔壁が自動的に閉鎖される仕組みになっていました現在の技術者が見てもタイタニックは極めて安全な船であると言われているそうです。

 

 

 

 


事故の概要

4月14日、事故の前日に海氷が存在すると6件の報告を受けていたにもかかわらず警告を無視し、4月15日最高速力に近い速力で氷山に衝突、16ブロックある水密隔壁の内5ブロックに浸水、クルーはこの時点で「この船は沈没する」と気付いていたようです。遭難信号の無線で助けを呼ぶと同時に乗客の避難を開始しましたが救命ボートは近くの救助船まで乗客を運ぶためのものであり、同時に全員を乗せることは想定していませんでした。さらに救助のスピードが沈没のスピードに追いつかずクルーの避難指示の指揮も乱れ結局タイタニック号での犠牲者は1500名以上の超えると言われ海難事故としては世界で最悪となりました

 


ではなぜこのような事故が起こってしまったのでしょうか

 


事故の起こった主な原因

 


1氷山が存在するという警告を無視したこと

2出航が一ヶ月遅れたために流氷が増えた事、

3夜間であったために視界が悪かったこと(当時はレーダーなどがなく航海設備も未熟)

4監視に双眼鏡が使われていなかったこと

5救命ボートの数が不足していたこと、

6乗組員が救命ボートの取り扱いに訓練を受けていなかった

7タイタニックが出した遭難信号を他船が理解できなかった

 

 

 

特に1.4.5は致命的ですね、氷山が存在するという警告があったら見張りを増員し、減速する必要があります、減速しなかった背景には処女航海で大西洋横断の最短記録を目指してしたため減速するという判断を下しずらかったのではないかという説があります、監視に双眼鏡が使われていなかったというのはもってのほかですね、航海計器が発達した現在でも双眼鏡で目視による見張りを行うことは最重要です。また、タイタニックはもともと救命ボートを乗客乗員全員が乗れる数を搭載する予定でしたが「景観を損ねる」「沈まない船に救命ボートはいらない」などの理由から必要最低限まで減らすことになってしまいました。また、いずれの原因も「不沈船」「この船が沈むわけがない」という慢心が招いた結果のように思えます。

 


タイタニック事故から得た教訓

この事故を教訓に、数々の安全対策が取られるようになりました。

1929年にはSOLAS(ソーラス)条約というものが採択されました、SOLAS条約とは海上における人命の安全のための国際条約のことで、遭難信号を統一したり、船舶には全員が乗船できるだけの救命艇を備え航海中救命訓練を実施することなどが盛り込まれていて、技術の進歩に合わせて改定されながら運用されています。

 

 

 

まとめ

タイタニック号の沈没はタイタニック号が沈むことはありえないという慢心が招いた事故といっても過言ではありません。油断や慢心が大失敗を起こす。「もしも」の事を考え安全管理を徹底し、事故が起きても被害を最小限に留める努力が必要です。タイタニック号船長のスミス船長はタイタニック号の航海を最後に引退される62歳のベテラン船長でした。

ベテランの船長といえども、油断や慢心が最悪の状況を招きかねないという良い例ですね。私も航海士として慢心せず安全航海に努めていきたいと思いました。